六十の手習い

ついに、六十になりました。

2018年夏山 ~南アルプス南部(千枚岳、悪沢岳/東岳、中岳、赤石岳)を縦走

 2018年8月3日(金)から6日(月)まで、山仲間でありランニング仲間でもある「山男(“やまお”と読む)」と何年か振りかで夏山に行ってきました。
 行き先は、静岡県山梨県と長野県の間に楔のように食い込んでいるエリア、いわゆる『オクシズ(奥静岡)』と呼ばれる一帯・・・そこの『椹島ロッヂ』を基点にして千枚岳、悪沢岳東岳、中岳、赤石岳など南アルプス南部の名峰をぐるっと回ってきました。

 今回のコースの中岳を過ぎ荒川小屋に下る分岐点から荒川小屋・赤石岳間は、『日本海から太平洋までの415㎞を8日間以内に踏破するTJAR(トランス ジャパン アルプス レース)』のルートとなっています。
 また、中岳山頂付近から北を望めば、これまで選手が辿ってきた仙丈ヶ岳、三峰岳(間ノ岳付近)、塩見岳など南アルプス北部の山々が、赤石岳から南を望めば、これから向かうであろう兎岳、聖岳などが連なっています。

f:id:fjt320:20180807174243j:plain
※中岳山頂付近から北を遠望・・・手前の稜線の左のピークが塩見岳、右のピークが蝙蝠岳、塩見岳後方左が仙丈ヶ岳、右に小さく見えるのが甲斐駒ヶ岳、その右に北岳間ノ岳農鳥岳の山塊が連なる。(たぶん)

f:id:fjt320:20180807174337j:plain
赤石岳山頂から南を望む・・・後方左の山塊が聖岳、中央のピークが兎岳、その右のピークが小兎岳・・・でしょうか。

 ところで、今回の“山歩き”では、テント泊ということでただでさえ荷物が重いのに、更に重さ895gの『三脚(SLIK エアリーM100)』を持ち歩いていました。目的は、テント場で『星空タイムラプス』を撮影すること・・・カメラ(PowerShot G7 X MarkⅡ)の操作方法を未だに熟知していないので419ページの『使用説明書』と『カメラ用バッテリー』2個、それに『SDカード(32G)』2枚を持参・・・標高2,500mから見る星空はさぞかし美しいに違いありません。

 撮影のチャンスは1日目の『椹島ロッヂ』(ここは標高1,120mですが。)、そして、2日目の『千枚小屋』、3日目の『赤石小屋』の3回・・・結果は、1日目の『椹島ロッジ』は雲が多く、2日目の『千枚小屋』は雨だったので両日ともNG、3日目の『赤石小屋』は薄い靄がかかったような状態でこちらもNG・・・残念ながら『星空タイムラプス』を撮ることはできませんでした。
 一番の原因は“天候”ということになりますが、『千枚小屋』、『赤石小屋』のテント場は林の中にあり移動しなければ視界を確保できないこと、また、“山”本来の行動時間に制約され撮影時間が確保できなかったこと・・・なども原因に上げられます。

 ということで、今回の“山歩き”では、重さ895gの『三脚』を無駄に持ち歩いただけになりましたが、もう少し余裕のある行程で再挑戦したいと思います。

f:id:fjt320:20180807193831j:plain
※下記記載の『Wristable GPSウォッチ SF810測定値』とそれを『カシミール3D』に落とし込んだ際の『直線距離』、『沿面距離』に相当の差が出ている。(『所要時間』は概ね一致)

1日目:移動日(椹島ロッジで小屋泊)

 『椹島ロッヂ』の住所は静岡県静岡市葵区、同じ葵区である静岡駅からのアクセスはマイカー乗り入れが可能な『畑薙第一ダム』までを車で北上(距離にして約80㎞)、そこから『椹島ロッヂ』の送迎バスに乗り換え未舗装の道路を20㎞(時間にして1時間)揺られてやっと到着・・・『椹島ロッヂ』の山深さと葵区の巨大さに驚かされました。

 送迎バスの利用は、運営会社が営むいずれか1ヶ所の登山小屋に宿泊することが条件となり、乗車の際に3,000円を支払うことになりますが、その3,000円は登山小屋宿泊の際、宿泊費に充当してくれます。
 ということで、下山時の送迎バス乗車の権利を獲得するために、1日目は『椹島ロッヂ』で小屋泊、夕食・朝食、風呂付・・・相部屋ではありましたが、布団の上でぐっすり眠ることができました。

2日目:椹島ロッヂ ― 千枚小屋(テント泊)

※Wristable GPSウォッチ SF810測定値

距離 所要時間 累積上昇高度 累積下降高度 ※標準コースタイム
8.2㎞ 8:18’31” 2,107m 651m 6:10’00”

※標準コースタイムは『山と高原地図42 塩見・赤石・聖岳』を参照

 2日目は、標高約1,120mの『椹島ロッヂ』から標高約2,610mの『千枚小屋』までの高低差1,500mの登りのコース、『椹島ロッヂ』を6時過ぎに出発し、『千枚小屋』に14時20分頃に到着、所要時間は8時間20分、その日の午後は不安定な天候で、登山道、また、テントを設営し夕食を済ませた頃、けっこう強い雨に降られました。

 今回、初めて使う『ザック(deuter エアコンタクト プロ 60+15)』の背負い心地・使い勝手は次のような感じでした。

  • ヒップベルトがしっかりしており腰への荷重をしっかり支えてくれるので安定感がある。
  • 当日の雨にも標準装備のレインカバーの着脱で迅速に対応
  • 赤石岳登頂時に『赤石小屋』への分岐点にザックをデポし付属のサブバックで登頂
  • 荷室に直接アクセス(フロントアクセス)でき効率的な荷物の出し入れが可能

f:id:fjt320:20180807173756j:plain
登山口に架かる吊橋

f:id:fjt320:20180807173751j:plain
吊橋の下を流れる清流

f:id:fjt320:20180807173747j:plain
この吊橋・・・自分の歩く振動で自然に揺れてしまい、かなり怖い!!

f:id:fjt320:20180807173743j:plain
登山道の途中で顔を出した山塊・・・赤石岳か。

f:id:fjt320:20180807173739j:plain
ダケカンバそれともシラビソ?

f:id:fjt320:20180807173913j:plain
ミヤマトリカブト

f:id:fjt320:20180807173916j:plain
2日目の目的地『千枚小屋』

f:id:fjt320:20180807200833j:plain
私の寝床

3日目:千枚小屋 ― 千枚岳 ― 悪沢岳東岳 ― 中岳 ― 荒川小屋 ― 赤石岳 ― 赤石小屋(テント泊)

※Wristable GPSウォッチ SF810測定値

距離 所要時間 累積上昇高度 累積下降高度 ※標準コースタイム
12.5㎞ 11:20’44” 1,635m 1,785m 9:30’00”

※標準コースタイムは『山と高原地図42 塩見・赤石・聖岳』を参照

 3日目は、3,000mを超える山々を縦走する今回の核心部、しかし、縦走といっても快適な稜線歩きではなく、悪沢岳東岳赤石岳、そして、それらの間に配置された山小屋を繋ぐ登山道を登っては下り下っては登る運動力学的に非常に効率の悪いコースです。

ポイント 標高 高低差
千枚小屋 2,610m
悪沢岳東岳 3,141m 531m
荒川小屋 2,620m ▲521m
赤石岳 3,121m 501m
赤石小屋 2,550m ▲571m

 ようするに千枚小屋から悪沢岳東岳まで530m登り、悪沢岳東岳から荒川小屋まで520m下る。そして、荒川小屋から赤石岳まで500m登り、赤石岳から赤石小屋まで570mを下る・・・これ以外にも悪沢岳東岳と中岳(標高:3,084m)の間の登り返しや、小赤石岳赤石岳の間の登り返しなど、肉体的にも精神的にも忍耐力が必要なコースでもあります。

 このコースの標準コースタイムは9時間30分、休憩時間を考慮すれば所要時間は12時間程度となるでしょうか。また、山での行動は『早出早着』が原則ということで4時に出発して16時には『赤石小屋』に到着したいところ・・・昨日の不安定な天候で今日の天気も心配していましたが、朝起きるとテント場の木々の間からは月が見え、『千枚小屋』の前まで行くと正面にど~んと富士山が姿を見せていました。また、3,000mの稜線に吹く風は冷たいくらいでした。

 荒川小屋を過ぎ大聖寺平から小赤石岳への登りで同行した『山男』から徐々に遅れだし、『赤石小屋』への分岐点直下の急な下りでは、岩が多く不安定な足場に完全に心が折れ、転倒しないかと心配しました。
 富士見平に『赤石小屋まで30分』という表示があったのですが、その30分の長かったこと・・・『千枚小屋』の出発が予定より30分遅れ4時30分、『赤石小屋』への到着が16時、所要時間11時間30分、ヘロヘロになりながらもなんとか無事に到着することができました。

f:id:fjt320:20180807173909j:plain
富士山・・・千枚岳への登山道から

f:id:fjt320:20180807173906j:plain
富士山と日の出

f:id:fjt320:20180807173902j:plain
朝焼けに染まる赤石岳

f:id:fjt320:20180807174025j:plain
千枚岳付近から悪沢岳東岳を望む

f:id:fjt320:20180807174021j:plain
イワギキョウかな?

f:id:fjt320:20180807174018j:plain
ミヤマトリカブト赤石岳

f:id:fjt320:20180807174014j:plain
一歩づつ高度を上げる。

f:id:fjt320:20180807174008j:plain
丸山、悪沢岳東岳まであと少し

f:id:fjt320:20180807174134j:plain
岩だらけの登山道

f:id:fjt320:20180807174117j:plain
悪沢岳東岳山頂・・・後方の山は赤石岳

f:id:fjt320:20180807174113j:plain
中岳・・・悪沢岳東岳を下り、中岳に登り返す。

f:id:fjt320:20180807174239j:plain
中岳山頂・・・後方は前岳、左後方が赤石岳

f:id:fjt320:20180807174235j:plain
山腹に小さく見える荒川小屋

f:id:fjt320:20180807174231j:plain
荒川小屋を過ぎ、大聖寺平付近から悪沢岳東岳、中岳を振り返る。

f:id:fjt320:20180807174350j:plain
手前のピークが小赤石岳、その右に少しだけ見えるピークが赤石岳

f:id:fjt320:20180807174346j:plain
赤石岳から赤石岳を望む

f:id:fjt320:20180807174342j:plain
赤石岳山頂・・・後方は悪沢岳東岳

f:id:fjt320:20180807174330j:plain
3日目の目的地、『赤石小屋』を目指す。稜線の中央に『赤石小屋』が見える。

4日目:赤石小屋 ― 椹島ロッヂ(帰宅)

※Wristable GPSウォッチ SF810測定値

距離 所要時間 累積上昇高度 累積下降高度 ※標準コースタイム
4.5㎞ 3:19’50” 113m 1,509m 3:35’00”

※標準コースタイムは『山と高原地図42 塩見・赤石・聖岳』を参照

 最終日は、『赤石小屋』から『椹島ロッヂ』へと高低差1,400mを下るコース・・・このコースの距離は4.5㎞、一方、登りで使った『椹島ロッヂ』から『千枚小屋』までの距離は8.2㎞、ふたつの山小屋の標高はほぼ同じなので、このコースの傾斜がそれだけキツイということになります。

 『赤石小屋』のスタッフさん曰く「このコースは標高を基準にして5/5、4/5・・・1/5と表示が設置してあり、最初はそうでもないが次第に傾斜がキツくなり、疲れがピークに達した1/5以降が最も急になり、最後に梯子もあるので気を付けて下山して下さい。」とのことでした。
 この下り・・・スタッフさんの言葉に昨日の下りのような状況を覚悟していたのですが、傾斜はそれほどではありませんでした。しかし、ここでも『山男』には付いていけませんでした。
 『赤石小屋』出発が7時、『椹島ロッヂ』到着が10時20分、所要時間3時間20分、因みに『山男』は10時前には着いていたそうです。

f:id:fjt320:20180807174448j:plain
『赤石小屋』から・・・朝焼けの赤石岳(右)、中央の三角形の山が兎岳、そして、左に聖岳

f:id:fjt320:20180807174443j:plain
赤石小屋のマスコット?と赤石岳